アレルギー反応を抑制し、患部の部位や症状によって使い分けられる「ステロイド」について気になる疑問をQ&A形式で説明しています。
Qステロイド外用剤を塗ると、副作用で肌が黒くなるのは本当ですか?
A.なりません。
炎症がひどい部分や慢性化している部分にしっかり塗って使い続けると炎症や赤みがおさまり治る過程で皮膚は黒くなります。
ただ、この状態を副作用と勘違いし使用を中止してはいけません。皮膚の中には炎症が潜んでいると同時に治る段階にあるため、1日1~2回塗るようにします。
ちなみに皮膚の血管を収縮させるステロイド外用剤を塗ると、逆に肌は白くなります。長い間に渡り治療が中途半端になり、完治しなかった場合に黒くなっていることも考えられます。
Q.ステロイド外用剤の使用を中止するとリバウンドでひどくなってしまう?
A.なります。
通常であればステロイド外用剤の使用で症状の悪化を招くリバウンドが起こることはありません。
ステロイドによって炎症が落ち着き、かゆみがおさまった後でもカサカサしている場合などは炎症が残っています。この状態で突然ステロイド外用剤の使用を止めた場合、汗や刺激により再びかゆみを感じるようになるのです。
しかし、これはリバウンド現象ではありません。ステロイド外用剤の副作用やリバウンドが起こった人の9割は顔といわれています。
顔にステロイドが合わない人でもステロイド外用剤が効くこともあれば、逆に悪化する場合もあるほか、突然止めてしまうとリバウンド現象が起こるのです。
Q.ステロイド外用剤を使い続けると体に毒素がたまりますか?
A.たまりません。
ステロイドは蓄積され副作用が起こるのではないと考えられています。人体は副腎でステロイドを作っているため、外部から必要以上に与えてしまうと体がステロイドの生成を怠ってしまい、異常をきたすということ。
この時に突然ステロイドの服用を中止してしまうと体内にステロイドが不足し、症状は悪化してしまうのです。
ステロイド外用薬は内服薬に比べ副作用がでることは比較的少ないでしょう。しかし、外用薬でも炎症の抑制力が強いものは長い間使っていると同じようなケースが起こり得ます。自分で勝手に中止を判断するのは危険ですので、必ず医師に相談するようにしましょう。
Q.ステロイドは依存症になると聞きましたが、本当ですか?
A.なりません。
ステロイドは病気そのものを完治させ、体質を改善するものではなく、アトピー性皮膚炎においてはアレルギーの炎症を抑える役割を担っています。
炎症がひどく、慢性化している湿疹などは急な強い湿疹がおさまった後であっても皮膚の中には炎症が潜んでいるため急に中止せず使い続けなければなりません。
ステロイド外用剤はアトピーを完治させる薬と捉えず、健康な生活を送れる皮膚の状態を目指すものと考えるようにしましょう。 ステロイド依存症などは存在せず、使い続けていると効かなくなってしまうということもないのです。